NFBとは

NFB70th

カナダ国立映画制作庁(National Film Board of Canada、通称NFB、*1)は、1939年に設立され、2009年に70周年を迎えました。 NFB設立から2年後の1941年にイギリスから招かれた映像作家ノーマン・マクラレンが創設したアニメーションスタジオは、優秀なプロデューサーや技術スタッフ、最先端の制作設備を整え、カナダのみならず世界中の作家・監督の憧れの的となりました。各国から「カナダで、NFBで、アニメーションを創りたい」と優秀な才能を呼び寄せ、1970年代に黄金期を迎えます。そしてアニメーション史を飾る名作を数々残しました。
“カナダ=アニメーション創作の天国”というのは、無数の国際賞受賞、そして2005年の『Ryan』(クリス・ランドレス監督…米国出身)、2007年の『The Danish Poet』(トーリル・コーヴェ監督…ノルウェー出身)まで7回のオスカー(R)(*2)獲得という輝かしい実績が証しています。

ノーマン・マクラレン

近年のNFBは、インディペンデントの制作支援や国内外との共同製作、そして配給や普及に力を注いでいます。この転換が、2000年以降、2つのオスカーをNFBにもたらしました。 さらに70年の間に蓄積された1万本以上のアーカイブが、NFBそしてカナダ国民に物心両面の豊かさをもたらしています。
インディペンデント作家のための「第2、第3作を創り続ける」支援は興味深い事業です。“最初の1本”で脚光を浴びる若手は決して少なくありません。日本でも、高等教育機関のアニメーション専攻学生が増え、学生作品は質、数ともに高まっています。しかし残念なことに、卒業後も作品を創り続ける人は多くはありません。NFBのプロデューサーは、「第2、第3の作品を創ることが大切である」と断言し、作品を世に送り出す支援を多面的におこなっています。
NFBが支援するのは商業ベースのものばかりではありませんが、その門をくぐったことをきっかけに、プロとして成功する作家・監督が数多くいます。

*1) カナダ国立映画制作庁、NFB/ONF(National Film Board of Canada/Office national du film du Canada)は、1939年にカナダ政府などが出資して、カナダの映画・テレビ産業の育成・振興を目的に設立された公共機関。映画・テレビ番組の制作や配給、映像関連技術の改革推進、アーカイブ公開などをおこなっており、科学番組、教育番組、ドキュメンタリーやアニメーションなど良質の作品を多数世界へ送り出している。国内外で、アカデミー賞を含む4,500以上の賞を受賞。日本でも数々の受賞をしている。
*2) 短編アニメーション部門で7回の受賞。ドキュメンタリー部門でも、ショートアニメーションが1回受賞している。NFBのオスカー(R)受賞は特別賞を含めると、計13回にのぼる。

■NFBのプロデュース力■

日本では、国際デビューを果たせても、その後のフォローを受けられない若手は独力で種々の交渉や手続きをせねばなりません。そのために機会を逸することもあります。一方カナダには、制作から配給に至る民官の支援があります。“アニメーションの拠点”としてのNFBも、その一つです。
そこで、NFBを代表するショートアニメーションの上映と、プロデューサーとマーケッターを招いたイベントにより、NFBの“プロデュース力”を複合的に紹介します。
日本とカナダは、1994年に「日加映像作品共同制作協定(Film, Television and Video Co-Production Agreement)」に両国の外務大臣が署名しています。日本はこのような協定締結には遅れていて、カナダは大切な相手国です。しかも、カナダは連邦政府も、いくつかの州政府も国際共同制作を推進しており、NFBはそのための重要な機関です。
このようなNFBの活動を知り、NFBとのネットワーキングを強めることは、日本のアニメーションの創作における新たな一面を拓くことでしょう。

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